『うつ病と記憶力の関係』嫌なことを考え続けるとどうなるの?
うつ病でお悩みの多くの方は、普段の生活において気付いたら嫌なことを想像する、あるいは思い出しているという経験をされているのではないでしょうか。
このページでは、嫌なことを考え続けるとどうなってしまうのかについて、分かりやすく解説していきたいと思います。
ニューロンの働き
皆さんは記憶のメカニズムをご存じでしょうか?
ある出来事を経験すると、脳内ではニューロンという神経細胞が結びついていきます。この結びつきを電気信号が走っていくことで物事を思い出したりできます。
ニューロン同士が結びつく事で、物事を記憶していくのですね。
ニューロン同士の結びつきが弱いと、その出来事をなかなか思い出すことは出来ません。しかし何度も同じことを考え続けると、結びつきが次第に強くなっていきます。そして電気信号が流れやすくなるのです。
何度も同じことを考え続ける事で、ニューロン同士の結びつきが強くなる。
エビングハウスの忘却曲線
エビングハウスの忘却曲線というものがあります。
参考) https://sakura394.jp/diary/classroom/boukyakukyokusen
一度学んだことは復習しないと、次の日にはその記憶は約7割減ってしまいます。しかし復習を行う事で、学んだことが記憶にどんどん刻まれていきます。一度復習すると、記憶に残る期間も長くなって行きます。復習を繰り返せば繰り返すほど、その記憶はしっかりと脳に刻まれて行きます
- 定期的に復習を行う事で、学んだ事が脳に刻まれていく。
- 復習を行わないと、その記憶は忘れていく
せっかく学んだことも、時間とともに忘れて行ってしまいます。この記事も忘れてしまわないように、何度も読み返してもらえると嬉しいです♪
大きなストレスによる影響と変化
大きなストレスにさらされ、不安,恐怖,悲しみ,怒りといった感情が長く続くと、感情を司る脳(偏桃体)はどんどん活発になっていきます。一方、論理や計画性などを司る脳(前頭葉)はどんどん働きが衰えていきます。
- 感情を司る脳(偏桃体)は活発になっていく。
- 論理や計画性を司る脳(前頭葉)は働きが衰えていく。
その結果、前頭葉によってもたらされる論理性,計画性,計算力といった生きていくうえで重要な機能は低下していきます。
また活性化した偏桃体によって、四六時中感情に振り回され、不安,恐怖,悲しみ,怒りといった感情に支配されてしまいます。
適度なストレスであれば、そのストレスは行動を起こすうえでの起爆剤になります。しかしストレスが大きくなりすぎると、考える力は低下していき、感情に振り回されやすくなってしまいます。
大きすぎるストレスは前頭葉の働きを抑制してしまうのですね。そして感情の働きが活発になり、余計に嫌なことを考える環境が出来てしまうのですね。
嫌なことを考え続けるとどうなるの?
嫌なことを繰り返し考え続けると、その考えはどんどん記憶に刻まれていきます。そして、考えれば考えるほど、その考えは思い出すことが容易になってしまいます。
たとえ忘れたい記憶であっても、思い出すほどにニューロンの結びつきがどんどん強固なものになってしまうのです。
嫌な事や辛い事は、出来る事ならすぐに忘れてしまいたいものですね。
また記憶とは不思議なもので、日常生活の色んなものと結びつきます。例えば線香の香りで幼い時の記憶が蘇るという事はないでしょうか?
私の場合お香の香りで学生時代の事を思い出します。
四六時中嫌なことを考えていると、その記憶は自分の知らないところで日常生活に溶け込んでいきます。例えば、普段洗い物をしながら嫌なことを考えてしまうという人は、洗い物が嫌なことを考えるトリガーとなってしまっているのです。
- 嫌なことを考え続けると、その考えが日常生活に溶け込んでいってしまう。
- 例えば洗い物がトリガーとなり、嫌なことを考えてしまう
こういったトリガーは、日常生活の色々なところに潜んでいます。無意識でも出来る行動はトリガーになりがちです。
例えば掃除や洗濯ものをたたむ時間だったり、料理を作る時間だったり。こういった時間を嫌なことを考えながら過ごしていると、1日の大半の時間が、嫌な時間で埋もれて行ってしまいます。
嫌なことではなく、楽しい事を考える時間を増やして、笑いの多い人生にしていきたいですね。
- ニューロン同士の結びつきが記憶を作っていく。
- 何度も考え続ける事で、記憶が鮮明になって行く。
- 嫌なことを四六時中考えていると、些細なことをキッカケに嫌な記憶が蘇るようになる。